長男が高校を卒業した(高校への感謝状)

日記

先日、高校を4年通った長男が無事卒業した。定時制の専門学科という変化球ではあるが、長男らしい高校生活を送れたと思う。この高校には感謝しかない。

長男は冴えない控えめの小太りな高校生だ。メガネをかけ独特の口調で言い回す表現が多く目線や所作も特徴的。小学校4年で発達障害の傾向に気づき、いくつかのサポートを受けながらこれまで成長してきた。

長男の入学した高校では、合格後すぐ「自分の時間割を作る」ことを急ピッチで行う。(大学での履修登録とほぼ同じ。)まだ中学生の新入生にはかなりハードな作業だなと思ったものだが、2年目からは慣れたもので自分で考え決めていた。

入学当初、長男は3年での卒業を目標に授業を選択していたが、2年目への進学時『やっぱりキツイから4年で卒業しようと思う』と話に来て、ではそうしようか、と4年での卒業でプランを立て直した。キツイ、というのはサボって単位が取れないというより、長男の人生の速度と3年卒業の速度が合わない、というイメージかと思う。

高校生活について私はときどき長男の話を聞くのみで、ほぼ長男にまかせきり。2年目からはアルバイト(ファストフード)も始め、自分の好きなものは自分で稼いで手に入れることを覚えた。その頃からバイト先で食事を済ますことも多く、長男のお弁当は作らなくなった。長男は自分で必要な単位を取得し、自分の生活プランを考え、ときに悩めば先生に相談し、進路を決め、無事卒業した。

この高校は、いわゆる「高校」と聞いてイメージする学校と比べ特殊と思う。定時制と通信制があり、学校の性質から中学時代不登校だった人、他の高校をドロップアウトした人も多く入学する。そして、学校はすべての生徒を温かく迎え、育み、見守り、送り出してくれる。

校長先生をはじめ、先生方もとても温かい。長男の担任としてお世話になった若い先生は4年に渡り長男のよき相談相手となってくださった。保護者会が少ない学校のため、実際先生にお目にかかったのは片手で数えるほど。でも、卒業式にどうしてもお礼を伝えたくお忙しい中少し時間をいただきご挨拶できた。『長男くんは困れば相談してくれましたし、報連相はとてもよくできていましたよ』と話してくれた。

泣きそうだった(私が)。

報連相ができず、学校で孤立していることに気づけなかった小学校時代、課題の提出期限ギリギリで泣き出した中学時代。その長男が自分で考えて生活し困ったときには相談できるようになり、相談できる相手が身近にいた。なんてありがたい高校生活だったんだ。(先生には恋愛相談もしていたらしい。)

卒業式の日も学校内で同期入学の友だちに声をかけたり、在校生の友だちから声をかけられたりしていた。友達もいない、ボッチの長男を想像していただけにとても意外だった。長男には長男の築いてきた世界や友人関係があったんだなと、卒業式で垣間見られてよかった。

長男は本当に恵まれていると思う。自分に合った学校が通える距離にあり、入学できるご縁があり、自分の世界を確立して新しい生活へ歩を進めた。

大学入試は残念ながら希望していたところはすべて落ちてしまい、すべり込みで専門学校への入学を決めた。でも、この専門学校への進学を私と話し合っているときの生き生きとした長男の顔がとても印象的で、長男の新生活は希望にあふれていると感じている。充実した学校生活になるよう願ってやまない。卒業おめでとう。

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